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アイペット損害保険株式会社へ取材をしました!▽*∵*▽ 2014/08/18


 8月18日、アイペット損害保険株式会社にて取材を行い、入江様、萩野様、涌井様よりお話を伺いました。

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♣ アイペット損害保険株式会社に入社されたきっかけ (入江様)

 アイペットが設立して3年目の2006年に入社しました。 私はもともとペットショップやペットのテーマパークなど現場の仕事をしていましたが、ペット保険が普及することでペットが住みやすい世の中になるだろうと考え、 入社を決めました。当時は保険事業として成り立っていたわけではなく、国から認可されていないアイペットクラブ健康促進共済事業として共済事業をしていました。 2008年には少額短期保険会社として営業を開始。現在、アイペット損害保険株式会社として金融庁より損害保険業免許を取得しています。 アイペット創設期はなかなかビジネスとしては難しいところもありましたが、それから10年経ち、きちんと会社として運営できるようになり、凄く嬉しいと思います。

♣ 日本でのペット保険の普及率は?

 日本ではそもそもペット保険を知られていないということもあり、普及率は3〜4%です。 ペット業界のなかでも未だ認知度が低く、ペットを飼われている人のなかでも知らない人が多いんじゃないかなと思います。 母数によって違いますが、アメリカでのペット保険普及率は3%〜10%くらい、イギリスだと15%〜20%になります。 日本もそのくらいまで目指せればいいなと思っています。

♣ これからペット保険をどのように普及していきますか?

 ペットを迎え入れる主要な経路になっているペットショップをメインとして広めていくのがひとつの柱です。 海外では多くありませんが、日本ではひとつの文化としてペットショップが根付いているのは当然ありますし、そこを適切に発展させていきたいと考えています。 法令に則った経営をしているペットショップと協力して、ペット保険を普及させるということが重要です。 保険業法等に代理店になる基準が定められており、ペットショップとの代理店契約を結ぶ際は最低限そこをクリアする必要があります。 また保険業法に関係ない部分であっても、動物愛護管理法をきちんと理解しているか(どこまで見られるか難しい部分ではありますが)、 健康な生体を販売していることがベースです。例えば生体の管理がよろしくないペットショップは当然病気が多かったりしますが、 病気になっているのを隠して保険をかけてしまった場合、契約条件に触れるだけではなく、保険事業としても成り立たなくなってしまいます。 健康な状態で保険に入ってもらうことが保険の大前提にあります。

♣ ペット保険業で難しい点、気をつけなければならない点

 保険業としてペット保険を取り扱っているなかで一番気をつけなければならないのは損害率です。 いただいた保険料に対していくら保険金をお支払いできるか。これは金融庁と相談しながら決めていきます。 払いすぎてもいけないし、払わなくてもいけないという保険の大原則があります。ペット保険はまだ15年ほどの歴史しかないため、 保険料の設定の根拠となるデータが少なく、安易な金額設定をしてしまうと、病気のペットばかりを抱え込み支払う保険金も増え、倒産してしまう可能性がある。 すると多くの契約者様にご迷惑をかけてしまうため、そのリスクをできうる限り小さくしなければなりません。

 またペットは口をきけません。なので、飼い主がペットにわざと怪我を負わせて保険金を受け取ろうとすることも起こり得ます。 また保険金がおりるということで、病院側が無駄な治療をしてしまうことも可能性として考えられます。 これらをどう防止するか、考えなくてはなりません。

♣ 海外(アメリカ・イギリス・ドイツ・スウェーデン)のペット保険と日本のペット保険

 既に家族として迎え入れられているペットを対象にした、インターネットでの契約は日本にもアメリカにも共通しています。 このインターネット経由の加入比率は今後更に上がると思いますが、やはり日本でもアメリカでもイギリスでも生体を引き受ける場所で契約される方が多い状況です。 ペット保険を普及させやすく、生体が健康であることが間違いないですし、 新しく家族に迎えられて一番不安が大きいところでペット保険が役にたてるポイントかなと思います。 ただ新しく家族として迎え入れるシーンとしての生体流通のメインがペットショップの日本と、 ブリーダーや譲渡を介するアメリカやイギリスとの違いは大きいです。また、海外は医療技術で先行している点もあり、 医療費(治療費・薬の値段)が日本よりも高いケースもあります。どのようなマーケットの動きが出てくるかは、 イギリスやアメリカを見ていると日本の先が予想できると思います。現在、海外の普及率は日本よりも高いですが、 その数字もまだまだ伸びている段階。日本ではまだまだポテンシャルが大きく、アメリカ・イギリス以上の伸び率で伸びています。 イギリスやアメリカをお手本にしながら日本も伸ばしていきます。

♣ アイペット損害保険株式会社の新しい取り組みとは?

 同じく新たな家族を送り出す場になっているはずなので、保護犬・保護猫の譲渡活動に力を入れている団体と連携していきたいと考えています。 海外では個人のボランティア団体であってもNPO法人であっても、譲渡の際にペット保険加入のタイミングがあります。有資格制度があり、 ちゃんとした生体の引渡しであることを、チャネルとして認められていれば、日本の同様の団体でも可能ではないかということです。 例えばSPCA(動物虐待防止協会)等が保険会社と組んで、譲渡した際に45日間フリーで保険をつけるなど、 その取り組みが当たり前になっているイギリスやアメリカの会社が団体とどう向き合っているかを調べていき、日本でも同じことができるのではないかと考えています。 まだ実現はできていませんが、家族になった犬猫が適切に治療を受けられる環境を提供するため、どのようにして提供していくか可能性を探しに行っている段階です。

♣ 譲渡団体との連携で検討していかなければならないこと

 保険業は統計学に基づくビジネスであり、何歳でこのような環境であれば保険料いくらという保険料設定をしています。 ただ譲渡犬・猫の場合はどのような環境で育ってきたか、何歳かもわからなかったりするため、保険料の設定や関係各所と話し合いが難しい点です。 譲渡のタイミングでは、飼い主さんからペットがもともとどのような病気を持っているだとか、 通院していたかなどの過去の健康状態の確認・告知取得ができない可能性もあるため、それをどう整理して、ペット保険の加入に結びつけるか考えています。 またどのようなニーズがあるのか、様々な団体に話を聞きに行ったりもしています。保険料率が少し高くても加入してもらえるのか、 アメリカであるように例えば加入後無事故だった場合はお金を寄付に回すだとか、やり方はいろいろあると思っています。

♣ アイペットで働いている方はどのような方が多いですか?

 ペットに関する仕事ということでペットが好きな方、もともと獣医師やトリマーさんなどペット業界の仕事をしていた方、保険業界出身の方、 アイペットのベンチャー的な要素に魅力を感じ入社した方など、様々なバックグラウンドを持った人が多いです。 ペットを飼っている社員は犬猫以外も含めるとおよそ50%。 従業員には犬アレルギーの人、猫アレルギーの人もいます。 犬猫が好きなんだけれども近寄れない、でも何かしてあげたいという人も多いです。

♣ 就職活動生へのメッセージ

 アイペットは今年で10周年を迎え、おかげさまで順調に成長してきています。 当社は『ペットとの共生と、ペット産業の健全な発展を促し、潤いのある豊かな社会を創る』ことを経営理念としています。 現在、「ペット共生社会の実現のために足りていないサービスって何だろう」と、 新規事業を通じてペットに貢献する施策を発展させていくなど、ペット保険以外のことも考えていくフェーズになっています。 「ペットとの共生社会」に関して、まずペット保険を広げていくことも一理だと思いビジネスをしています。他にもやりたいことは当然あります。 新規事業のミッションを持っている事業戦略室は、そんなことを考えている部署です。直近2〜3年で入っていただきたい学生は、 そのようなことを一緒に考えたい学生や、保険業としてアイペットを強くしていきたい学生です。 当然、この2つどちらも持った学生にも入っていただきたいです。

《 取材をしたメンバーの感想 》 

♧ なおこ

 ペット保険の他にも動物愛護管理法や環境省の牧原プラン、マイクロチップについてもお話をしました。 社員の方はとても詳しく、私たちが知らないことも多く勉強させていただきました。アイペットという会社にさまざまな可能性があるなかで、 様々な団体の方とお話をしてインプットをし、これからアイペットがそれをアウトプットに変えていくフェーズだと強くおっしゃっていました。

 保護犬・猫のペット保険の他にもどのようなチャネルを目指していくのが良いかと試行錯誤するなかで、例えばキャンピングカーショーなどのイベントに出展し、 アンケート調査や集客を行ったりもしたそうです。西武グループ「ペットスマイルプロジェクト」のひとつ西武園の「ワン!ダフルゆうえんち」へ参加し、 アイペットとして獣医師への相談ブースを設け、内定者の方もインターンとしてブースのお手伝いをしたという話も伺いました。 また、お昼の時間は社員の方が飼われているわんちゃん・ねこちゃんの話題で盛り上がるとのこと。 とても素敵な会社だと思いました♪

 今回、貴重なお話を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました!

♧ ひとみ

 初めての企業の取材ということもあり、緊張しましたが、企業からの視点でたくさんのお話が聞けました。 ビジネスという視点からのお話はとても新鮮で、そこから今まででは見えてこなかった課題点・問題点を見つけることができました。 取材させていただいた社員の方々は海外の情報などもとても詳しく、私達が今まで知ることがなかったような事実もあり、とても勉強になりました。 終わった後、まだまだ詳しいお話を聞いてみたい、次回もまたお願いしたいと参加した2人で話していました。 ペットと人が共生できる社会に向け、治療を受けやすくするようペット保険の存在が浸透していってほしいと思います。


以上

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